2月9日、3歳牝馬限定戦「第50回黒ユリ賞」(BG2)が行われ、ホクセイヒラリ(牝3)が優勝した。
天候は晴れ、4日に降った大雪の影響を受け馬場水分は2.5%の発表だった。単勝1番人気はサッコの2.0倍、2番人気はキョウエイカスミの4.2倍で、ホクセイヒラリは11.0倍の5番人気に支持された。
レースは、第1障害を下りるまでは全馬ほとんど横並びの展開だったが、第1・第2障害の中間点ではホクセイヒラリが積極的に先頭に立ち、プロサングエ、パワフルクィーン、サッコらが追走した。前半66秒でホクセイヒラリが最初に第2障害へ到達する。2番手集団にいたパワフルクィーンが最初に挑戦を開始し、すぐにホクセイヒラリも上る。この2頭がすんなり障害をクリアするとパワフルクィーンが先頭に立ち、2番手にホクセイヒラリが追いかける形になった。3番手以降でクリアしたサッコ、プロサングエ、キョウエイカスミも追い込みを図り、残り30m付近で2番手のホクセイヒラリをサッコ、キョウエイカスミが捉えたがサッコが詰まり後退。その直後、残り20m付近でパワフルクィーンが詰まって立て直し、その間にキョウエイカスミ、ホクセイヒラリが交わすかと思われたが3頭並んで詰まった。それと同時に大外から鋭く伸びたウンカイマジックが先団5頭をまとめて捉えるもゴール前緩み、立て直したホクセイヒラリが歩き切って先にゴールラインを通過した。2着にウンカイマジック、その後そりの後端がわずかに入りきらなかったパワフルクィーンを横目に、キョウエイカスミが先着し3着となった。勝ちタイムは2分22秒7、ホクセイヒラリは重賞初制覇を飾った。

渡来心路騎手
「今日はチャンスがあると思っていたので、勝ててすごく嬉しい。初騎乗だったが思い切って騎乗しようと思っていた。調教では今日の朝に1回触っただけだったが、調子はいいと感じていて、展開を引っ張る攻めたレースをしたいと思った。他馬も重量を背負っているので、うまく前半で先行できれば障害力で差をつけられると思っていた。障害を下りてからの末脚があまりない馬なので、障害力と先行力を生かした思った通りの騎乗だった。結果的には、あのペースしかないようなイメージ通りの展開だったと思う。ゴール前は他馬も苦しそうで、なんとかしっかり歩き切ってくれという思いで必死に追った。ゴール後は正直勝ったのかどうか分からなかったが、厩務員の喜ぶ様子で勝ったと分かりほっとした。雪は降ったが思ったより馬場は軽くなく重たいレースだった。馬場は合ったと思う。初めて乗る馬だったので、少しでもいい結果を残せればと思っていた。過去のレースを見て辛抱強く歩ける馬だと思っていた。今回はピンチヒッターだったので今後は誰が騎乗するか分からないが、儲けたなという感じ(笑)。乗せてもらった馬主、調教師、厩務員に感謝したい。障害が本当に上手で、重量が増えても活躍できると思う。」
平田義弘調教師
「勝てて嬉しい。力はあるが下りてからマイペースなところを心配していたものの、荷物が重く後ろから追ってくる馬がおらず、いい成績を残せた。今回のような先へ先へと行く競馬でないと勝てないので、騎手へも前に行くよう伝えていた。先行したが今回のペースは速いとは思わなかった。馬場は基本的には軽いがゴール前は重く、もう1回止まるかなと思ったが止まらずに辛抱した。これは騎手のおかげ。レース前はよくて2着かなと思っていたが、うまくいった。大雪が降った直後は2日ほど運動できなかったが、重賞なので運動は軽くでも行っており、状態面は心配ではなかった。また、640kgという重量も定量なので気にしていなかった。イレネー記念は一生に1回なので馬主も使いたがるかもしれない。牡馬相手に入着できれば上出来だと思う。今後も大事にして上を目指していきたい。」
☆レース映像
☆勝利騎手インタビュー
☆勝利調教師インタビュー


