12月30日、3歳三冠の三冠目「第53回ばんえいダービー」(BG1)が行われ、ライジンサン(牡3)が優勝した。
天候は晴れ、馬場水分1.1%で行われた。1番人気はミチシオで単勝オッズ1.8倍、2番人気はスマイルカナで4.7倍、3番人気はライジンサンで5.6倍となった。
レースはライジンサンが先行し、ホクセイハリアーやユーフォリアらが追走する展開となった。ミチシオは最後方からの競馬となったが、第1障害と第2障害の中間点で先団に取り付いた。ライジンサンとホクセイハリアーが抜け出してレースを率いる展開となり、前半60秒でホクセイハリアーがわずかに先に第2障害へ到達した。この2頭が第2障害をすんなりとクリアし、続いてミチシオ、ウルトラコタロウらがクリアすると、ライジンサンが勢いよく抜け出し先頭に立った。後退するホクセイハリアーを横目にミチシオが追いかけるも、残り5m付近で詰まったライジンサンと並んで詰まり、先に立て直したライジンサンが押し切って1着。2着にミチシオが入り、0.1秒遅れた3着にウルトラコタロウが入った。
勝ちタイムは1分57秒6、ライジンサンはイレネー記念以来となる勝利で重賞4勝目を飾った。

鈴木恵介騎手
「ライジンサンは頑張ってくれた。馬の調子が上がってきていたことと、定量戦であることから、焦る必要はないと思ってレースに臨んだ。初めての重量ではあったが、このくらいであれば問題ないと思っていた。レース前から先行策を考えていたわけではなく、馬自身が行きたがったため前目での競馬になった。道中の手応えがよく、思ったより前で競馬ができたと思う。第2障害では行きたがったが、もう少し息を入れようと我慢させた。障害は上手な馬なので、綺麗に一腰で上がってくれた。重量の影響もありゴール前では止まってしまったが、最後までよく頑張ってくれたと思う。ミチシオが来ていたが脚色が鈍っていたので、ギリギリなんとかなるかなと思った。結果的には自分でレースを作れたことが勝敗を分けたポイントだと思う。今シーズンはなかなか使う場面がなくレースの回数は少なかったが、最後は大河原調教師が最高の仕上げをしてくれた。自身もダービー前の数日は調教を付けていて、調子が上がってきていると感じていた。重賞制覇できて最高の気持ち。自身の1年を振り返ると、夏に1か月ほど怪我でレースに出られなかったことは辛かったが、重賞を複数勝ててよかった。」
大河原和雄調教師
「ほっとしている。レースを観ていて、いい位置取りで行っているなと思った。スタートして第1障害を越えたところでほっとした。重量は苦にしないと思っていたので、あとはどんな位置取りで行くかが気になっていた。レース選択は馬と相談して決めていたが、春先から目標はダービーだと鈴木騎手と相談して決めていた。秋には、この出来でこれだけ動けていれば、という手応えはつかんでいたので、鈴木騎手も自身も、厩舎のスタッフも焦りは感じていなかった。今日は鈴木騎手に獲ってもらったという感じ。持久力があるのがいいところだが、気持ちが乗らない時があり、その時はあっちの空という様子で気分屋なところもある。しかし、今日はパドックを周回している時から集中できていて、入場するときの踏み込みもよく、ほっとして見ていた。歯がわりは他の馬より遅かったが、成長力はある。体はまだ6割くらいの出来で、骨が先にできるのを待って筋肉量を調整している。今後については馬や騎手と相談して決めようと思う。」
☆レース映像
☆勝利騎手インタビュー
☆勝利調教師インタビュー


