3月22日、今年度最後となる12レースに1トンのソリを引く「ばんえい記念」が行われ、メムロボブサップが連覇を果たした。
前日までの雪は当日の好天と風で乾き、馬場水分は1.6%の重馬場となった。陸上自衛隊第5音楽隊による新旧ファンファーレでスタート。第1障害から多くの馬が苦戦する中、メムロボブサップ、クリスタルコルド、アアモンドキーマン、コウテイがすんなりと越えた。道中は各馬が何度も刻みながら進み、コウテイ、クリスタルコルド、メムロボブサップが前に行く展開となった。コウテイとクリスタルコルドが2分4秒で第2障害に到達した。最初に障害にかけたのはコウテイ。メムロボブサップ、クリスタルコルドも続く。クリスタルコルドは膝をついたがすぐに立て直した。メムロボブサップは3腰で障害を越え、クリスタルコルドが続く。メムロボブサップがキャンターで降り、残り30メートルのところでコウテイが3番手で降りる。その他の馬はまだ障害に残っている。メムロボブサップは残り10メートルで余裕を持って一旦止め、立て直してゆっくりと進み、3分18秒8でゴールした。2着のクリスタルコルド、3着のコウテイは10メートルで一度詰まったが立て直してからゴールした。その後30秒以上経ち、ネオキングダムとダイリンファイターがゴール。4分半を過ぎてタカラキングダムが6着でゴールしたころ、全馬が第2障害を越えた。それぞれが自分のペースで休んでは進み、を繰り返す。女性騎手初のばんえい記念騎乗となった今井千尋騎手がヤマトタイコーとゴールし、全馬が完走した。
阿部武臣騎手
優勝できてほっとしています。レースを使って尻上がりに体調が良くなってきており、ここを最後の目標に調整し、120%の仕上がりだったと思います。
昨年は雪降って軽かったですが、近年になく重い馬場になるんだろうと思い、自分なりには十分息入れて、先行集団でこれたので良かったと思います。障害は、十分上の方まで上がってくれたので気持ち的には楽でした。最後は一度止まりましたが、ゴール前大変な思いするなら 1回息入れた方が余裕馬も走ってくれるだろうと、息を入れました。降りた時点で差されないだろうとは思ったのですが、レースなので何かがあるかわからないのでゴールまでしっかり追いました。今季は自分も怪我で騎乗できなかったですし、獲りたいレース(帯広記念)もあり、大事にレースを選んで使ってきました。昨年は前日に怪我して乗れず、自分で1億円を達成できなくて悔しかったですが、その後なんとかこの馬にもう1回乗りたいと思って頑張ってきました。昨年は、けがを治す一年でした。完治はしていないので乗っては休み、乗っては休みの1年でした。先週まで痛みが出ていたのですがちょうど痛みが抜けてくれました。
この馬は、軽くても重くてもどちらの馬場でも対応できる馬なので、10歳ですが行く気も持っていて、無理にでも行ってしまう。特別な馬だと思います。小さかったが想像以上に体ができた。牧場で生まれてからずっと見ていて、俺しか触っていなくて、相性ぴったり。10年もつきあっているので(笑)もう10歳になったので無理せず調子を見ながら健康で定年を迎えてくれれば、と思っています。来年最後なのでもう1回優勝してみたいと思います。4月からラストイヤーになりますが、皆さんの声援よろしくお願いします。
また、ジャパントップも調教していたので、無事にゴールするまでは見届けておかないとと思って見ていました。ゴール前危なかったですがよく耐えて休ませゴールしてくれたので良かったです。
坂本東一調教師
感無量という言葉はこのためにあるのだと感じました。ボブ(の調教)は阿部武臣が自分でやっていました。ネオキングダムは私が仕上げました。レースでは、レースを壊す馬はいないと感じたので、安心かなと思って流れを見ていました。半分まできたときに、焦らなくてもいい、という気持ちをテレビに向けて伝えていました。ゴール前は、あのまま(止まらずに)ゴールしたら寝たと思う。阿部騎手がそれはわかっているから。以前寝たこともあったんです。普段から鍛えて読んで、気持ちが一致したと思います。
(3度ばんえい記念を勝っている中で)今日の馬場が見て一番面白かったのではないかと思います。
レース間あけたら、練習に出しても闘争心が抜けてくるので、ちょっと使ったら復帰しました。今日は私を寄せ付けませんでした。気合が入っていたと思う。そういう姿は初めてだったし、撮影ではおとなしかったがこれまでで一番おとなしかったと思う。
4度目は阿部優哉に譲りたいなという気持ちです。(今日は)優哉でも勝ったんじゃないかと思います(笑)。私の最後の荷物が阿部優哉でしたが、(次男の)文哉がやろうとしているから、私の体がもたないです。お父さんを超えるジョッキーになってほしいと思います。阿部武臣騎手には、けがもしているし、騎手は引退して譲れと言ってる。
レースの時には勝つポジションを取りなさい。それでかなわないと思ったら無理しない、と伝えています。勝つポジションって難しいんです。今井千尋騎手が「この馬はどうやって動くんですか」と聞きに来ます。気持ちが馬に伝わって筋肉を固くするから、自分の気性をゆるくしなさい(と言います)。動物は人間の気性を読むのが速いんです。
リーディングですが、騎手時代から気にはしていないのですが、周りが騒ぎ出す人がいるので、私はそれにたいして冷静にきたと思っています。
(涙の意味は)、ばんえい記念は、過去は厩舎で獲れると考えていなかったが、それよりも賞金が300万、400万になった時代に「ばんえい記念だけは価値を下げないでくれ」と思い、(シベチャタイガーの)馬主に言って賞金を寄付してもらったこともある。価値を失いたくないので、出走馬が増えるように尽くした。競馬を盛り上げてくれた人たちへの感謝の気持ちです。
ボブを応援してくれる皆さんに感謝しています。ありがとうございます。
竹澤一彦さん
心臓がドキドキでした。第2障害を越えて、勝ったな、と思いました。ほっとした。よくここまで来た。来年は無事に種畜検査を通って、さ来年無事に種馬になってほしいと思います。

☆レース映像
☆勝利騎手インタビュー
☆勝利調教師インタビュー


